L'Immoraliste-背徳者-※R18
091122秋日和ミハル=オクトーヌ様より
※流血及び性的な表現を含みます。






痛みより、焼けるような――熱さ。
鋭い犬歯がギリシア彫刻のような美しいラインを描く首筋に刺さり、じゅ、じゅっと押し出され体から溢れる「赤」。規則正しく喉の動きが嚥下される度に微かな振動として己に伝わる。その振動と同調するように己の人ではない部分――尾と耳が過敏に反応する。
艶やかな黒髪に指を滑らし後頭部を掌で包んだ感触と己の匂いに混ざった至近距離の愛しい人の匂いを鼻から深く吸い込めば、麻薬に溺れるようなふわりとした心地にだらしなく口元が緩む。
「おいし、い……?」
喘ぐように漏れ呟くルー・ガルー――人狼スザクの声は、無心に「食事」をしているヴァンピール――吸血鬼ルルーシュには耳に膜が張ったように曖昧でぼんやりして聞こえる。それよりもルルーシュが支配していたのは、血を口に含むたびに甘く芳しく体の底からもっと欲しいと突き上げる欲望のみだった。
スザクの首から溢れていた血の勢いは徐々に衰え、吸われるたびに徐々にヒリヒリした尖った痛みに変化し、指先と頭が痺れるような錯覚に陥る。
それは錯覚ではなく、急激に血液を奪われた体が意識昏倒する前の危険信号であった。 「んっ……」 強くルルーシュの後頭部を包んでいた掌が徐々に力が抜け敏感に反応していた尾と耳が垂れ下がる、ずるりと体を預けるようにスザクは膝から力が抜けた。急にかかる自分への負荷にようやく、ルルーシュは血を貪りすぎたことに気づき慌てて抱きとめる腕に力をこめる。
「あっ、……悪かった。その、大丈夫か?」 牙を抜いたあとには深く抉られた穴が二つ、スザクの首筋に残っている。スザクは血の気を失ったままぐったりとずり落ちるかのようにルルーシュの肩口に頭を預けている。ルルーシュはゆっくりと己の膝を折り、ちょうどスザクに膝枕をするように横たわらせた。
深く抉られた二つの傷跡は細かい気泡を出しながら、浅い傷へと変化しはじめていた。ルルーシュはその回復をぼんやり見つめながら、己の口内を舌で歯をなぞるようにゆっくりと右から左へと動かすと、鋭い牙――犬歯が上下あわせて四本。いままで与えられた器の中の「血」ではなく、初めて皮膚に突き刺した感覚を思い出してゾクッと震える。

――だめだ、歯止めが効かない。

再びゆっくり舌で歯をなぞっていると口の端に甘い芳しい強い味――スザクの血糊が残っていた。



「容赦なく『食事』してくれたね」
ようやく気だるそうに瞳を開けたスザクは言葉ほどの非難は見えないが、ルルーシュは我を失った羞恥も含めて「すまなかった」と素直に詫びる。
悲痛な表情を真上に見上げながら、己を覗き込んでいるルルーシュの癖のない真っ直ぐな髪に触れようとゆるゆると手を伸ばすと、ルルーシュもスザクの獣耳の後ろをゆっくりと撫でる――無意識に摺り寄せながらスザクは口角を上げ、伸ばした手は再び下ろし瞳を閉じてうっとりとその心地よさに沈み込む。
遠慮がちに動いていたルルーシュの指先が、スザクが安心しきった表情を見て、丁寧に毛先がはねている少し硬めの髪から獣耳そして首筋まで流れるように繰り返し撫で付ける。
「……おいしかった?」
瞳を閉じたままスザクが問えば、「ああ」と短く答えるルルーシュ。次の言葉に恐怖と詫びと――ついに、と覚悟をしたかのような間。
「僕も……お腹空いた」
その一言にルルーシュの手が止まった。



ルルーシュは気高きヴァンピール族ブリタニア家の一員、だった――。
一族を束ねるシャルルが気まぐれをおこし妻として迎えたのはマリアンヌという人間。そして二人の間にはヴァンピールとして生まれたルルーシュと、人間として生まれてしまった妹のナナリーだった。
ヴァンピールは「血」を糧とし、人も食料の一種でしかない……ただし、己が望むときだけ血を分け同胞にすることが出来る。そんな中でマリアンヌは「人間」でいることにこだわり、シャルルもそれを「面白い」と許した。
しかし、シャルルや他の妻や子供らにとって人間は「食料」でしかない。マリアンヌは幼いナナリーを守るためにブリタニア家から二人は逃走し、ルルーシュは一人残された。
シャルルや義兄妹と共に苦労一つ無く暮らし、用意された美しい赤い液体をワイングラスに「食事」として注がれ当たり前のように与えられていても、ルルーシュの想いは母と妹が自分を捨てるはずはないと――ついにマリアンヌとナナリーに逢うべく家出をしたのだ。
しかし、鳥籠でありながらも豪華な暮らしをしていたルルーシュにとって外の世界は想像を絶するものだった。
人間の血が混ざっているとは言え、容赦ない日差しはきめ細かい美しい肌を火傷のようにかぶれさせ、獲物を狩る術を知らないため「血」を飲めず――行き倒れ寸前の状態でルー・ガルー族のスザクに保護してもらったと言っても過言ではない。
深い森の――大きな木にもたれたまま空腹と疲労で動けずにぐったりと昏睡していたルルーシュをスザクは家へ運び、焼け爛れた皮膚をルー・ガルー族に万病に効くと伝わる満月の光で浄化された水で丁寧に清め、ルルーシュの為に狩りをし、小動物を調理しようと思ったところ血の匂いに――無意識にすばやい動きで反応しそのまま小動物を掴み口元を赤く染めながら血を啜り「食事」をするルルーシュを見てスザクは――自分が助けたのは人間では無くヴァンピールだと知った。
その日からスザクはルルーシュのために森で狩りをしては小動物の血をグラスに絞って与えたが、わずかな血ではルルーシュの空腹は満たされなかった。
「ごめんね、本当はもっと大きな獲物を仕留めれば君の空腹も満たされるんだろうけど……。この森は若草色の髪をした魔女の呪いによって、僕たちみたいな者は大きな動物には近づけないんだ」
ベッドでグラス半分に満たない液体を飲み干したルルーシュからグラスを受け取り、ひどく残念そうな顔をするスザク。
「あ……いや、助けてもらっている上に厚かましくも狩りまでしてもらって申し訳ない」
「ううん。ルルーシュに元気になってもらうには、僕の血をあげれば一番いいんだけど――」
その先が続かず苦笑いでスザクがため息をついたと同時に獣耳がシュンと力なく伏せられる。
「どうした?」
「……ルルーシュに血をあげたら、その――僕もお腹空いちゃうからさ。言いにくいんだけど……、僕も君と同じように『糧』が必要なんだ」
「それはそうだろうな。どの種族にも誰しも『糧』無しでは生きていけないからな」
なにか自分に出来ることがあれば礼を――とルルーシュがスザクに尋ねると、眉を下げ力ない笑顔を向け囁くようにそれでいてはっきりと伝えた。

――君たちヴァンピールの糧が「血」ならば、僕らルー・ガルーの糧は「性行為」なんだ。

真っ直ぐ見つめられたままの「告白」にルルーシュの思考はしばし停止した。やがて瞬きを忘れたことに気がついて何度か瞬きをした後にはスザクの瞳は見られなかった。

――スザクの肌に牙を沈めた後は、自分の体を差し出さねばならない。

そういうことだった。

スザクはルルーシュの膝に頭を乗せた状態で、ゆっくりと太ももの側面からわき腹へ服の上から指先で撫でていく。スザクの耳を撫でていたルルーシュの指先は反応を拒むかのようにぎゅっと握られ、瞼を強く閉じ耐えている顔をしていた。スザクは仰向けの体を俊敏な獣のように起こして正座を崩していたルルーシュの足を膝下へ腕をいれ、上半身の脇の下へもう一方の腕を入れて軽々と「姫抱き」をしながら立ち上がった。
ルルーシュは変わらずに固く瞼を閉じている。かすかに睫が震えていた。
――男を知らない処女……それは、吸血鬼の好物だっけ。しかも女の子じゃない貧血気味の吸血鬼だけど。

眼下のルルーシュを見た感想を思ってクスりと笑みがこぼれ、不安がらせないように――もう一度しっかり抱きかかえ近づいた額にスザクは軽く唇を押し付けた。

「ん……、あ……」
静かにいつものベッドへ寝かせるとスザクは自身の尻尾が期待で振りすぎないよう深く注意しながらルルーシュの髪、額、頬、鼻先、耳の柔らかい場所、首筋と軽く触れるだけの口付けをし続ける。その柔らかい唇の感触と時々肌を刺激する固めの癖っ毛、動くたびに鼻を掠めるスザクの首元から先ほどの傷から微かな血の香りにルルーシュは酔うような心地になり薄く開いた口元から呼吸に混ざってか細く声が漏れる。
「や……」
この先の恐怖を想像して無意識に拒否をする言葉と、スザクの胸を力なく押しのけるルルーシュ。その押しのけようとする掌をスザクは掴んで、ルルーシュの細い手首を噛み付くように軽く歯を立てる。
「ルルーシュ、ちゃんと見て」
促されるようにルルーシュはうっすらと瞳を開け、最初にみた景色もこのベッドの天井だったと甘い痺れに浸されている思考をゆっくりと働かせた。細い手首に口付けをしながら見上げるスザクの瞳とぶつかる――深い翡翠のような、獲物を捕らえた獣の瞳だと悟った瞬間ゾクりとルルーシュの肌があわ立った。
怯えか動揺か視線は合っているのに落ち着かないルルーシュを見つめ小さく口角を上げ、あえて視線を外さすにルルーシュの真っ白いシャツの胸元のボタンを外していき脱がさすそのまま胸元へ指先を滑らせた。

ピクッ。

スザクがルルーシュの胸の――なめらかな肌を指先でたどり柔らかい小さな乳輪とさらに小さな突起を中指の腹で擦るように撫でれば、微かなベッドの振動をルルーシュが生み出す。
「だ……め、だっ……」
じっと見つめたままスザクがルルーシュから視線を外さないまま、ゆっくりと胸元に顔を近づけ触れていない側の胸の突起へ舌をのばす。

あっ。

一瞬、ルルーシュの息を飲む音が聞こえる前に――自分の舐る音のが早かった。舌の先で突起全体をゆっくり舐め、突起が固く反応し始めると歯で痛くない程度に噛み吸い付く。ずっとルルーシュから視線を外さずに――。
ルルーシュはそのスザクの視線に耐え切れずに潤んだ紫水晶のような瞳を逸らす。羞恥なのか快楽なのかルルーシュの頬から耳にかけ朱に染まっている。
堪えきれずに荒く繰り返すルルーシュの呼吸が、心なしか喘ぐように聞こえてきた。スザクは無心に瞳を閉じて胸の突起に吸い付き、空いている手で空いている胸の突起を指先でわずかに鋭い爪を立てて押しつぶしていた。

はっ、っあっ。

ベッドの上で聞こえるのは浅く早い呼吸と執拗に舐る艶かしい水を含んだ音だけだった。 ツッとスザクが胸の突起から薄い脇腹をすべるように指先を滑らせると、ルルーシュの体がビクりと反応をして反射的に下肢へ伸びるスザクの手を掴んでしまった。
腕を掴んでみたものの、ルルーシュはこの先をどうしたらいいのかわからないような困惑した表情でスザクを見上げると、腕を掴まれたまま優しい眼差しでゆっくりと顔が近づいてくる。
「ん……」
初めて触れ合う唇。
その柔らかさに内心驚きながらも、ルルーシュの唇を割るように舌で押し進めるスザク。ヌルりと滑り込むスザクの舌は、ルルーシュの形のいい歯茎や歯並びを確認するかのようになぞっている。その動きは血を吸ったときに己でなぞった感覚に近いことをされているとルルーシュの腰が重く反応し始めスザクの腕を掴んでいた手の力が抜ける。
「ふっ、んんっ」
眉を顰めながらも、舌と舌を絡ませる口付けを拒まないルルーシュ。
ゆっくりとスザクは開放された腕を下肢へと伸ばし、服の上からルルーシュの硬くなり始めている陰茎の形をなぞった。
「んんんっ……」
口付けを交わしながらルルーシュのビクビクと過度な反応がスザクにも伝わる。

――かわいい。

ルルーシュの下唇を自分の唇で挟み軽く引っ張りながら、スザクは笑みを浮かべその背の大きな尻尾はファッサファッサと揺れている。
「大丈夫? ルルーシュ。怖いなら、やめようか――」
「だ、大丈夫だ……。俺はお前から『糧』を貰ったんだ、これくらいは……と、当然だっ」
「じゃぁ、続きスルけど。僕もここらへんが限界だか――」
「だ、い……じょうぶだ」
きゅっとスザクの二の腕あたりのシャツを掴んで、目を伏せたまま決意するルルーシュ。その姿を愛しい眼差しを向けルルーシュを一度強く抱きしめ、一気に押し倒しうつ伏せにさせた。

――っ? ほわあああっ?!

うつ伏せにされた状態でルルーシュは何度も状況が飲み込めずに瞬きを繰り返した。その動揺を知ってか知らずかスザクはスルスルとルルーシュのズボンを脱がし、黒いビキニタイプの下着に手をかけた。
「あ! ちょ……っ!!」
慌てて脱がせさせまいとグッと下着を掴んだルルーシュの手をやんわりと力強くスザクが下着から離す。
「ルルーシュ。君が大丈夫だって言ったじゃない」
「……言った。確かに言った、が――」
「言ったよね?僕――」
「……」
「お腹減ってるんだっ」
一気に下着を脱がされたルルーシュ。うつ伏せで、頭をシーツに押し付け、膝を九の字に曲げて、自分からはよく見えない状況で、スザクに全て見られている状況……。そのことを考えただけで恥ずかしくて顔が、首が、真っ赤に染まる。
「わ、ルルーシュ恥ずかしいんだね。首まで真っ赤だよ。ここは……桜色だけど」
ね? と後穴をなぞりそのまま指を進めムニムニ揉みこむように触れる陰嚢。
「んっ……あ……」
びく、ぴくんっ。
感度良く反応するルルーシュ。陰嚢は柔らかく、その先に続く使用したことはないであろう――陰茎がふるふると足の間から頼りなさげに揺れていた。
スザクは舌を伸ばして、ルルーシュの陰嚢の付け根から後穴の間にたっぷり唾液を含ませて何度も舐めた。わずかな粘りを含んだ唾液が滑るように上下する。
「いや……ぁ……、恥ずかし、い。そ、んなの」
はっ……。と喘ぎ、反応しながら拒む言葉を繰り返すルルーシュの声はスザクには入ってこない。目の前のルルーシュの陰茎の先端からぷっくりと染み出した液体が「きもちいい」と反応しているのだから。スザクは体勢を変え仰向けでルルーシュの足の間に入った。ルルーシュの先端の滑り気のある液を指先で陰茎を擦りつけながら自分の指先に満遍なく塗りつける。
「んんんっ」
しっかり硬くなった陰茎にまだ唇は触れずに、ルルーシュ自身の先走り液で濡れた指先でルルーシュの後穴にスザクの指がつっぷりと――一本、第一関節まで埋まった。
「あ……ぅ」
痛みは感じない、でも、くすぐったさともどかしさが後穴から感じる。ルルーシュは無意識に腰を揺らす。
クチュクチュ。
傷つけないように、ゆっくりとスザクは腸壁の輪郭を丸くなぞるように指を進める。ルルーシュは息を詰めて体をこわばらせている。グッと不意に指を強く進めれば「あっん」とすぐさま反応する声におもしろい玩具で遊ぶ子供のような笑みを浮かべているスザク。
目の前には、とろりと滴り落ちそうな先走りを揺らしているルルーシュの陰茎。自分の使い込まれた赤とも黒とも言えない色と比べたら真反対のような桃色のような白のような綺麗な色をしている。
スザクは空いている手でルルーシュの薄い腰を掴んで、舌だけをのばした。
「あっ」
はっ、はっ。チュ、クチュクチュ。とルルーシュの呼吸と、スザクの舐める音と微かに――スザクが指を入れている穴からも水音が聞こえ始めた。
ルルーシュの先走りはわずかな塩気はしたが、蜜のように感じる。飴を舐めるかのように陰茎の周りを舌先で刺激するスザク。
「もう……スザ」
無意識にルルーシュが腰を浮かしスザクの口元から離れようと――ちゅる、パクッとスザクが吸い込むようにルルーシュの陰茎を口に咥え、同時に指がしっかり根本までいれた。指の腹はルルーシュの陰茎側にむいているので、軽く引っ掛けるように指を曲げで腸壁を擦りはじめる。
「んっ!! ふぁ、あっ……あ、」
ぴちゃぴちゃ。
コリッ。
「あ……っ」
腸壁のある一点で、ルルーシュの声が大きくなる。そこを重点的に指先で押し付けるように擦る。
「あ、……ぅ」
ビクビクビクと体が反応し、ルルーシュのうつ伏せの体勢も崩れそうなほどに膝への力が入っていない。それでも力を緩めればスザクに自分自身をもっと深く咥えられることになるので自然にルルーシュの腰が前後に動き始める。
「あ……ん、も……う……いい、だろ……う」
互いに顔が見えない状態で呼吸と熱だけで反応しあっている。スザクはゆっくりとルルーシュの後穴から指を抜いた。
「ん……――」
はっ、と安堵のため息をついた瞬間。スザクは指二本をルルーシュの後穴へねじりこむ様に挿し、きゅうっと強くルルーシュの陰茎を吸い込んだ。
「あっ……んんん、ん!!」
ガクガクガクと腰が動き、あっけなくルルーシュは果てた。吐き出した精の疲労からかルルーシュは腰に力が入らずに支えるスザクの腕に体重がかかる。スザクがこくんと飲み下すとあまり苦さも青さも感じないルルーシュの味がし、よいしょっとスザクがルルーシュの腰を高く上げたままその場から抜け出し両手で腰をしっかりと掴んだ。視線を少しあげれば髪を乱して肩で呼吸を繰り返すルルーシュの口元が見え、視線を下げれば己の完全に固く反った赤黒い陰茎の先端は先ほどの快楽ではまだ足りないとルルーシュの後穴がヒクついて収縮を呼吸のように繰り返していた。
スザクはなんの躊躇いもなく、一気に――。
ズンッと、己の陰茎を捻りこんだ。
「う、あっ!!」
その質量に驚いて体を強張らせているルルーシュ。意外にもルルーシュ自身の滑りと、スザクも目の前の痴態にトロりと先端から零れていたせいか裂けることはなく、進めるスザクも引きつるような痛みはなかった。
むしろ、温かくヌメりしっかり咥えこむ締め付けにスザク自身背筋から――それこそ尻尾も耳も毛の全てが逆立つような強い衝撃のような快楽。

――うわっ、これ……ヤバッ。

一度腰をぶつけるように最奥までゆっくりとすすめる。
「ん、ぁ……」
鼻にかかるルルーシュの喘ぎ、スザクは深呼吸をして挿入をゆっくりと繰り返す。
「ああ、ん」
くちゅくちゅ。
部屋には淫靡な音しか聞こえない。
「ああっ」
「あン!!」
「あうん」
「あン」
「あっ」
一突きごとに、堪えきれないのかルルーシュから漏れる声にスザクの腰が益々重く反応する。
「ぃや、やっっ」
心なしか大きくなり、更に硬くなったようなスザクの挿入に、どうにかもがいて逃げようとするがガッチリと腰を押さえつけられている。
「あ……んっ。いっ……う……」
ガクガクと身体が反応し、くちゅ、ぐちゅっと自分とスザクが繋がっている部分からの音がやけにはっきり耳について、ますます体の熱が上昇している錯角すらルルーシュは味わう。
「ン……」
ヌッっと大きくスザクが腰を引き、強くパンパンと何度も強く打ち付ける。
「うぁ!ふ、……んんんっ」
「あっ、イ……クっ……。ぁあぁぁっ」
ルルーシュはぎゅっとシーツを掴むと、後穴の締りがきゅうっと強くなる。スザクは眉を顰め尻尾から耳まで全身の毛が逆立つような快楽の痺れ――絶頂に満たされる。
「ィ……、クッ」
スザクが強く腰を打ちつけたままグッグッとルルーシュへの最奥へ吐き出す。締め付けつける後穴が余韻をスザクに与え、ゾクゾクしながら抜かないまま全てを搾り出すように数回弱く挿入を繰り返した。ルルーシュは、ぐったりと揺すられるまま荒い呼吸を繰り返していた。
ゆっくりスザクがルルーシュの中からズルりと陰茎を引き抜けば、高く上げていたルルーシュの腰は支えるものを失ってシーツへと下がり、しばらくすると後穴からスザクが吐き出した白濁した液体がトロりと漏れ出てきた。
すでに――ルルーシュは強すぎる快楽からの解放に意識を手放していた。


シャリ、ショリショリとリンゴを齧っているスザク。ちらりとベッドに視線を向ければルルーシュはスザクが果てたあと、ぐったりと力が抜け眠りについている。疲労しきっているとは言え寝顔はあどけない、その顔を見てスザクは尻尾を大きく揺らしご機嫌な様子でほくそ笑んだ。

――いつかこの嘘がばれるまでに、しっかり君の体に快楽を覚えさせればいいよね。

若草色の髪をした魔女が「大きな動物に近づけない呪いなんかかけるものか」と怒鳴り込んでくるまで、ルー・ガルー――狡賢いスザクの「性行為が糧」という嘘に疑うことを知らない童貞ヴァンピール――ルルーシュは気がつかずに体に快楽を刻まれ続けられるのであった。

Fin





百様へ
いつも、素敵な絵を!萌えを!ありがとうございます。
お友達として飲みにゆくなかになっても、やっぱり私は貴女の大ファンであることに変化は……むしろ自分が文章を書く上でとても勉強にさせていただいております。
狼×吸血鬼。11月3日のイラストを拝見して、ゴクり「これは書きたい」と厚かましいお願いにも快諾をしてくださり、またとても嬉しい感想もありがとうございました。
いろいろなキセキが重なって、百様の作品から生まれたこの作品。
百様FANからしたら「あの素敵イラストから、こんな話じゃない」なんて思われるかもしれませんw
それでも、最後まで読んでくださって本当にありがとうございます♪

20091205ルルーシュ奇跡の誕生日後でテンション高い、個人サークル「秋日和」のミハル=オクトーヌでした☆



あぎゃあああ><す、すてきな添え書きまで…!
エロ大作…!ありがとうございました;;;;
大変お疲れのところ…体裁整えてくれたりとかもう、ほんとありがとうございます(´;ω;`)
しかし自分がhtmlに打ち変えたせいで台無しになってる…、かも…っ
…ころしてくれてもいいです;;;
11/3絵…こちらです(´∇`)
お、オチにかんぜんにやられたです…白くるるぎじゃなかったのかよ…!かんぜんにだまされた…
だがくるるぎがどえすなら本望です…
もうにげられないね……るるーしゅ…おしあわせに…
みはるさんまたおいしいものたべにつれてっておくれ…!
そしてすざるるについて熱く語ろうぜ…!!!


back